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食育だより2021年4月号「味覚のふしぎ  離乳食に味付けをほとんどしない一つの理由」

2021年度がスタートし、保育園ではご進級・ご入園されたご家庭の皆様、おめでとうございます。明日葉保育園でも新入園児のおともだちは慣らし保育が始まり、給食の提供も始まっています。新しい環境に慣れていくには時間が必要ですので、焦らずにゆっくりと慣れていっていただければと思います。

お子様が保育園で食べる給食においては薄味で調味していますが、幼少期は「できるだけ薄味で」とか「素材の味を」という言葉をよく耳したりしませんか?
子どもの食事はなぜ薄味に調味するのかについて、今回は離乳食に味付けをほとんどしない理由の一つをご紹介いたします。

■赤ちゃんが最も敏感!味を感じるセンサー

舌_味蕾イラスト私たちの舌には「味蕾(みらい)」と呼ばれる、味を感じるセンサーがあります。最も味蕾の数が多いのが生まれた時。乳児の頃は舌だけではなく、口の中や唇にも味蕾があるといわれています。そのため、赤ちゃんは味に敏感で、素材の味でも十分な味を感じることができるのです。

この味蕾の数は大人になるにつれて半減するため、だんだんと味に鈍くなり、濃い味付けを好むようになります。

■赤ちゃんが苦手とする味がある?!

赤ちゃんが苦手とする味がある生まれたばかりの時が最も本能的な感受性をもっているとも言われますが、五味(甘味・苦味・塩味・酸味・旨味)の中でも、苦味・酸味は毒や腐敗という、人が本能的に苦手とする味だという一説があります。葉物やトマトなどの酸味のある食材は、素材の味の特徴が苦手とするものであるという認識もひとつ持っていると、受け入れやすいです。味覚は成長とともに変化するので、食べているうちにだんだんと慣れてくるものでもあります。そのため、幼少期は特に色々な食材を食べ慣れておくことが良いといわれているのです。

■赤ちゃんのよだれも味蕾に関係している?!

赤ちゃん口の中は常に唾液で潤っています。
唾液は味覚センサーである味蕾細胞の働きを助ける役割ももっているため、味蕾の数が多い赤ちゃんは比例して唾液の量も多くなります。そして同時に消化を助ける役割も担っています。

■敏感だからこそ、こだわりをみせるのかも?!

保育園に入園されている赤ちゃんも、「これだけを好んで食べる」「ミルクの銘柄を選ぶ」「これだけは口にも入れさせてくれない」など色々なお話を伺います。
敏感だからこその反応であり、生まれたばかりの赤ちゃんにとって食べ物は未知の世界です。抵抗感をもっておかしいことなど何もありません。
赤ちゃんにとって一番安心なのは母乳ですが、食べ物やミルクでも食べ慣れていくことで味への慣れや安心感につながることもあります。
初めて挑戦する食材などはすんなりと食べてくれたらラッキー!というくらいの気持ちで臨んでください。初めて口にする食材は得体が知れず、大人でも慎重になるものです。

■初めての食材に挑戦するときには、まず私から…が安心です

初めての食材に挑戦するときには、まずは私から…が安心です

赤ちゃんにとって初めての食材を口に入れることは不安がいっぱいです。
保護者の方が先に食べるところを見せてあげて、とびっきり美味しい反応を見せてあげましょう。信頼している人が美味しそうに食べる姿は、赤ちゃんにとっては最大の安心感につながります。
食行動においても真似ごとから始まることも多いので、ぜひ活用してみてください。

初期から完了期

■明日葉保育園では各期の離乳食も手作りで提供しています

食育イラスト明日葉保育園では毎日離乳食においても手作りで出来たてのものを提供しています。
たんぱく質源や野菜などを混合し、一人ひとりの大きさに合わせて調理しています。
赤ちゃんの口腔状態の確認や、咀嚼・嚥下の様子を保育士さんと毎日確認しながら、ひとりひとりにあった離乳食の提供を行っています。
各園に栄養士もおりますので、離乳食についての疑問や困っているなどあれば気軽にご相談いただけます。
健やかなお子様の成長を、毎日調理室から見守っています。