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食育詳細
   

食育だより2021年5月号「自立への第一歩! 食べても食べなくても笑顔で楽しむ離乳食~前編~」

保育園では新年度が始まって1カ月が経ちました。
日々、新しい一面を見せてくれる赤ちゃんの成長に、職員もほころび、またその対応に一生懸命に取り組む毎日です。入園とともに離乳食の提供も始まっています。初めて「食べる」ことを体験する赤ちゃんにとっては、一大チャレンジですね。
作り手も大変な部分が多い離乳食ですが、赤ちゃんの初体験チャレンジを笑顔で乗り切るポイントを、今回ご紹介いたします。

■食べるっておいしい!うれしい!たのしい!を伝えましょう

赤ちゃんに伝えていきたいことは「食べる事を楽しむ」ということ。お母さんやお父さんが笑顔で目を見て、優しい言葉を語りかけながら食べさせてあげることが、赤ちゃんにとって「楽しい」と思える心地の良い時間となります。「食べた」「食べない」にこだわらず、ゆったりとした気持ちで、食べない日があっても「こんな日もあるよね」と、心にゆとりをもってすすめていきましょう。それでも食べない日や残す日が続き、「なんで食べてくれないの?」とヤキモキしてしまう日が続くようなら、食材の形態・大きさ・量・赤ちゃんの機嫌などチェックポイントをみて、少し変化させてあげるのも効果的です。

■離乳とは

●自分で食べるための「自立の一歩」です●

小さな赤ちゃんに「自立」なんて・・・とピンとこないかもしれませんが、子育ては「守る」ことだけではなく、一人で生き抜く力「自立」を育てることも大切です。将来、子ども達が自分の体を自分で作っていけるように「食べる」という自立の一歩をサポートしていきましょう。

■離乳食とは

●自分の体を健康に維持するために、食べられるようになるための最初の食事●

母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんが、固形物を咀嚼し、飲み込んで、消化を行っていくため、少しずつ段階的に硬さのある食べ物に慣れ、食べ方を知る期間の食事を離乳食といいます。周りをよく見ている赤ちゃんは、お母さんやお父さんの食事の様子をみたりしてまねることから始まり、少しづつ大人の食事に近づいていきます。

 

■離乳食の4つの段階

離乳期には4つの段階があります。目安となりますが、赤ちゃんの成長にも個人差がありますので、赤ちゃんのペースに合わせて進めていくことが大切です。

進めるポイントとして、例えば初期から中期に移行するときには、赤ちゃんの食べが安定してきたら、ペースト状の中に粒状のものを少し混ぜ込んでいき、段々とみじん切りの状態にしていきます。少しずつ次のステージへと移行していくことで、赤ちゃんの消化の負担を抑えることにもつながります。

離乳食段階 形状 お粥 頻回食 母乳・ミルク
初期
(5~6か月頃)
ペースト状 10倍粥 1~2回食 離乳食後、ほしがる分だけ与える
中期
(7~8か月頃)
みじん切り 7倍粥~5倍粥 2~3回食 離乳食を先に与え、足りないようなら与える
後期
(9~11か月頃)
粗みじん 5倍粥~軟飯 3回食 食事時は徐々に避け、寝る前などに与える
完了期
(12~18か月頃)
一口サイズ 軟飯 3回食+間食 母乳・ミルクから牛乳へ移行させていく

■離乳食をはじめるタイミング

離乳食を進めるにあたって、例えば初期から中期に移行するときには、赤ちゃんの食べが安定してきたら、ペースト状の中に粒状のものが少し混ぜ込んでいき、段々とみじん切りの状態にしていきます。少しずつ次のステージへと移行していくことで、赤ちゃんの消化の負担を抑えることにもつながります。

各期の目安となる月齢だけにとらわれずに、赤ちゃんの様子やしぐさなどに気づきながらすすめてあげることが大切です。

例えば、離乳食を始めるにあたっては、下記のような赤ちゃんの様子やしぐさなどがサインとなります。

このように、中期・後期・完了期・幼児食への移行時期にも赤ちゃんからのサインも確認しながら離乳食を進めていくと、寄り添って進めていくことができます。
保育園でも赤ちゃんからサインをみて、離乳食を進めるようにしています。

■離乳食の野菜を柔らかく煮るおすすめの調理法

大きく切ることで野菜の断面の面積が大きいため、火の通りが良くなります。はじめからみじん切りにしてしまうよりも柔らかく仕上がるのでおすすめです。複数の食材を一緒に作ることができ、美味しいスープも取ることができます。また口当たりがよくなり、ごちゃごちゃ煮になることを防ぐことができます。

■こんな作り方・保存方法もあります

製氷皿
製氷皿で1回分を計って入れます。固まったら、取り出し、フリーザーバックに入れます。だしや野菜スープなども1回分ずつ固めて、それを粥や野菜などと一緒にレンジで加熱すると、簡単に離乳食ができます。(1週間以内に使い切りましょう)

 

米粉・野菜パウダー
10倍粥の変わりに米粉でおかゆを作ることができます。(米粉大さじ1に水大さじ5を入れ、透明感がでるまで混ぜながら加熱します) 野菜パウダーも2倍くらいのお湯をいれ、様子を見ながら、調節してください。

 

炊飯器で調理
炊飯器で大人のごはんを炊くついでに、離乳食の野菜も一緒に調理してしまいます。
50分弱かけてゆっくり中まで火が入るので、野菜もしっかり柔らかくなります。

 

大人からとりわけ
大人の献立から先に取り出して、調理しましょう。(完了期以降)

 

 

現在は、webページなどからも離乳食情報を見ることができ、様々な作り方や時短テクニックを知ることができます。一つの作り方にこだわらず、家庭にあった調理方法がみつけられたらと思います。また手作りだけにこだわりすぎず、ベビーフードなどを上手に利用し、外出時などにも手軽に食事がとれるようにしておくことも大切です。乳児期に必要な栄養摂取と、味覚の成長は離乳期、乳児期、幼児期に大きく影響しますので、様々な食体験を積み重ねていきたいですね。

6月号では、離乳食後編として、各期のポイント、期の進め方などを掲載予定です。
お楽しみに。